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小松菜奈、カンヌで魅せた“芯ある美しさ”――赤リップが導くセルフプロデュース術
2025-06-26 16:39:54
Posted by levelsister
Category: 国内市況
世界が注目するカンヌ国際映画祭。そのレッドカーペットに、小松菜奈が登場した。公式上映された映画『8番出口』のキャストとして招かれた彼女は、漆黒のドレスに身を包み、その中心にはシャネルの赤リップが据えられていた。華やかでいて強さも感じさせるその姿は、まさに「勝負の顔」。そこには、セルフイメージを丁寧に積み上げる彼女なりのスタイリング哲学が隠されていた。
まず彼女が意識したのは、その日の“舞台”を知ること。今回は、映画祭のミッドナイト・スクリーニング枠での上映という深夜の時間帯だったため、「夜の光に映える」スタイルがテーマに。そこから、静かな場でも印象を残す「存在感のある女性」「意志を感じる美しさ」を目指して、スタイリングの方向性が定まった。
次のステップは、その理想像にふさわしいメイクアイテムの選定。そこで彼女が選んだのが、シャネルの「トランテアン ル ルージュ」シリーズの中でも際立つ存在感を放つ赤リップ。サテンのような艶と深みのある赤が、凛としたムードを一層引き立てる。彼女自身も、「シャネルのリップは、私に自信を与えてくれる。ここぞという時に寄り添ってくれる心強い存在」と語っており、大舞台での必須アイテムとなっている。
大胆な赤を引き立てるため、他のメイクは引き算の美学でまとめた。目元はゴールドベージュのアイシャドウで肌馴染みを重視。アイラインもリキッドタイプで丁寧に引きつつ、主張しすぎない細さでコントロールされている。このように、リップを“主役”に据えたとき、他のパーツが支える“脇役”として機能するよう計算されたバランスが、美しさに品格をもたらす。
ネイル選びにも、小松のこだわりが感じられた。リップやアイメイクとリンクさせるのも一つの方法だが、彼女はあえてドレスとカラーを統一することで、全体に“芯の通った印象”を生み出している。指先は思った以上に目につくパーツだからこそ、洋服と色調を揃えることで、完成度の高いスタイリングに仕上げることができる。
この日の小松奈菜の装いは、単に“映える”ことを目的としたのではなく、自分らしさをどう表現するか、その延長線上にあった。華やかさの中に芯があり、強さの中にしなやかさがある。それを可能にしたのは、彼女自身のスタイリングに対する丁寧な向き合い方に他ならない。
映画『8番出口』では、小松奈菜と主演の二宮和也が共演。ゲームから着想を得たストーリーは、地下通路に閉じ込められた男の脱出を描くサスペンス。登場人物は5人のみというシンプルな構成ながら、濃密な人間模様が繰り広げられる。監督は『告白』や『怪物』などで知られる川村元気氏であり、作品への注目度も高い。
今回のレッドカーペットで見せた小松奈菜のスタイルは、彼女が女優としてだけでなく、一人の女性として“何を見せたいのか”を語る表現だった。リップひとつ、ネイルひとつを選ぶにも、その奥には思考と哲学がある。そんな彼女の姿に、多くの人が共感を覚えたのではないだろうか。