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当初からねじ込み式ケースバックを採用した防水時計だったという。
2024-12-31 11:56:29
Posted by pndekopis
Category: 国内市況
時代の変化や流行に流されず、一貫してクオリティを提供する時計ブランドには、創業から1世紀を超える存在も少なくない。とりわけ機械式時計に対するこだわりの強いブランドは、ユーザーが求める厳しい基準を満たして信頼や安心を獲得してきたからこそ、現在の地位を確立しているのだ。本連載では、1世紀以上の歴史を持つ10の名門をピックアップ。第1回は【ロンジン(LONGINES)】で、傑作時計「コンクエスト」について深く掘り下げて解説する。
ロンジン最古のコレクション名を受け継ぐ
ロンジンが初めてファミリーネームを付けて、コレクション化したのが「コンクエスト」だった。“征服、克服”の意味を持ち、1954年に商標登録されたのだった。
↑金無垢ケース&ブレスレットの「コンクエスト デ リュクス」が1956年に誕生。文字盤のスタッズ状サークルは現行コンクエストに継承された。写真は1968年製。
ロンジンが先日、メディア向けに「ヘリテージカンファレンス」を開催した。題して「ロンジンのパイオニアとしての歴史的遺産〜空・水・タイムキーピング」。登壇したのはロンジン本社のヘリテージ責任者、ダニエル・フグ氏である。このエクスクルーシブなイベントの内容を一部ここで紹介しよう。
↑ヘッド・オブ・ブランディング・アンド・ヘリテージを務めるダニエル・フグ氏。企業経済学のベテランジャーナリストを経て、ロンジン本社ミュージアムの館長を務める知の巨人。ブランドの歴史的な魅力を世界に届ける伝道者でもある。
フグ氏によると日本との関係は意外に早く、1879年に初めて時計販売が始まり、終戦間も無く海上警備隊(海上自衛隊の前身)にパイロットクロノグラフを供給していたという。日本でロンジンは最高級品として扱われ、ロンジンも日本市場を重視していた。コンクエストに関しては、1954年製Ref.9001の前に、実は手巻き式を搭載したセンターセコンド式の初代モデル(Ref.6626)が存在しており、当初からねじ込み式ケースバックを採用した防水時計だったという。
翌1955年、コンクエストは2つの偉業を成し遂げている。ひとつは米国インディアナポリス500マイルレースで公式計時を担当したこと。もうひとつは英国キャンベラジェット機がロンドン-ニューヨーク間の往復をわずか14時間21分45秒の世界記録で飛行したこと。さらに1956年には、非常に高価な金無垢のコンクエスト デ リュクスもリリースされている。
さらには、1959年に登場したコンクエストの回転ディスク式パワーリザーブ表示には、着想源の存在をフグ氏は指摘した。それは1928年のロンジン ウィームス セコンド セッティング。文字盤中央に回転式ディスクを備え、無線時刻信号に従って、より正確な飛行時間を計測できる伝説的名機だ(その復刻版が現行にラインアップ)。見方を変えれば、ここにもアビエーションのDNAを受け継いでいるわけで、フグ氏が続いてプレゼンしてくれたダイバーズにも、航空時計で培った防水技術が応用されていることが明かされた。知れば知るほど、ロンジンの歴史は奥が深い!!
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