フリーキャッシュフローの算出2 - 運転資金
以下の考え方は、DCF法(Discounted Cash Flow)の基礎です。
FDFの算出式は下記です。
FCF = 売上総利益 - 販管費 - 営業利益 × 税率 + 減価償却費 - 運転資金の増減分 - 設備投資
このエントリーの補足で、フリーキャッシュフロー(FCF)を算出する際、なぜグロスキャッシュフロー(GCF)から運転資金の増減分を引くのか? についてです。
フリーキャッシュフローの算出の仕方は、売上から現金で支払ったものを引いて(会計ベースからキャッシュベースへと調整して)その残りFCFという感じです。(蛇足ですが、ホストクラブのシャンパンタワーの上からシャンパンを流す動きに非常に近いものがあると思います。FCFは一番下のグラスを満たした後にこぼれたシャンパンということです。)
つまり、会計ベースからキャッシュベースに調整するために、減価償却費を足し戻し、設備投資を引きます、そして、運転資金の増加分も引くことになりなります。
この運転資金は、
運転資金 = 売掛債権 + 在庫 - 買掛債権
で表すことができます。
この運転資金をFCFの式に代入すると、
FCF = GCF - 売掛債権 - 在庫 + 買掛債権 - 設備投資
となります。
この式を見ると分かりますが、GCFから売掛債権と在庫を引き、買掛債権を足していることが分かります。
売掛債権は売掛金や受取手形のことで、まだ現金として受け取っていない資産のことなので、会計ベースからキャッシュベースに調整するときは引くことになります。
買掛債権(買掛金、支払手形)はその逆で、まだ現金として支払っていない資産(マイナスの資産、債務)のため足すことになります。
在庫は期末の棚卸の際に売上原価から引かれている(=売上高に足されている)ため引くことになります(※1)。
※1 例:売上総利益 = 売上高 - 売上原価 = 売上高 - (仕入れ - 期末在庫) = 売上高 - 仕入れ + 期末在庫
以上がこのエントリーの補足です。