みなさん、こんにちは。
藤沢Kazuです。

ところで、金融業界の人がみな使っている情報端末にBloombergと言うのがあります。
セールスやトレーダーはだいたいひとり一台持っています。
これがなかなか高くてひとり月に20万円以上するのですが、これがないと仕事にならないのでどの金融機関もブルームバーグに相当な金額を払っています。
金融情報ベンダーでは間違いなくNo1なんですね。

ちなみに創業者は今、ニューヨークの市長やってます。

しかし、この会社、ちょっと前までなんとも思ってなかったのですが、去年の金融危機あたりから大好きになりました♪
何がいいかって、コラムが好きなんですよ。

下にコピペしたのはただの例なんですけど、これぐらい金融機関の人間をコキ下ろすコラムを毎日のように(いや、本当に毎日)配信しているんですよ。

だって、直接のクライアントですよ。
客ですよ、客。
それをこれでもこれでもかとむちゃくちゃコキ下ろすんですよ。

いやー、本当に好きだなー、こういう会社。
見直したよ。


=====以下、ブルームバーグからの引用=====

【経済コラム】金融危機で業界男性も評価替え、価値急低下−M・リン
  2月4日(ブルームバーグ):投資資産のポートフォリオはボロボロ、雇用もマドフ事業への投資と同じくらい怪しい状態。事態は既に十分に悪いのに、ガールフレンドや妻までが、もっとおいしそうなパートナーに乗り換えようとしている。

  金融業界での仕事が楽しいなどと言う者はいまだかつていなかった。業務時間は長いし仕事は退屈。わけの分からない数学の問題と取り組まなければならない。仕事仲間との付き合いはと言えば、オオカミの群れとピクニックする方がまだ安心なくらいだ。

  しかし、これには見返りがあった。豪勢なオフィスと目の玉が飛び出るようなボーナス。もし自分が人類の頂点にいないとしても、少なくとも他の誰よりも近いと自信が持てた。最も基本的なところで、異性に対するあなたの市場価値は高かった。外見がレオナルド・ディカプリオでなく、ダニー・デビートに近くたって関係ない。バンカー以上の「オトコ」はいなかった。だが、今は違う。

  信用危機が3年目に入り、世界中の政治家がボーナスをテロ並みの違法行為にしてしまうなかで、バンカーたちは「交際相手として望ましい職業」のランキング表で自分の順位が滑り落ちていくのを感じている。

  バンカーと付き合っている、または過去に付き合っていた女性たちの不満を集めたニューヨークのブログが注目を集めた。調査によれば、金融界の「富豪」たちは愛人や恋人のために使うお金を減らしているようだ。この結果、多くの女性が自身の人生について考え直す可能性がある。

使えない

  バンカーたちにはお気の毒と言うしかない。大金を稼いでいる間は、異性にモテるのは簡単だった。給仕長に十分なチップを払ってしゃれたレストランで最高のテーブルを確保することもできた。(値段も)最高級のワインを同伴者ののどに流し込むこともできる。これでダメならティファニーの包みを取り出して見せればいい。

  今はすべてが変わってしまった。ピザハットの2人掛けテーブルで値引きクーポン付きメニューを注文し、会社で次々人が首になっているという暗い会話をしても、異性を引き付ける効果はない。

  「あるバンカーとのデート」と題したブログは、開始以来多くの人が閲覧した。真実なのか、誰かの気の利いた創作なのかは知らないが、これは時代精神に触れた。ちょっと恐ろしいほど率直な女性たちの発言は、金融業界で働くボーイフレンドたちをこき下ろす。皆の結論は1つだ。ボーナスのないバンカーは、エンジンのない車と同じくらい使えない。

  ある投稿者はこうつづる。「お金を追いかけるわけじゃないけど、お金のないバンカーと付き合うのはごめんよ。冷たいようだけど、少なくとも正直でしょ」。

愛人願望

  金融業界の男性が恋人たちを甘やかす支出を減らしていることは既に明らかだ。調査会社プリンス・アンド・アソシエーツのラス・プリンス社長は、2000 万ドル以上の資産を持つ男女191人を対象に調査を実施した。すると、男性の 80%以上が愛人に渡す「小遣い」を減らす計画だと回答。プレゼントを減らすという回答もほぼ同数に上った。

  不景気の時代には、愛人になる動機は高まる。簡単に金を稼ぐほかの方法は日々、不安定になっていくのだから。プリンス社長は電子メールで質問に答え「男女を問わず、愛人になりたいという願望は高まるだろう」として、「現在のような不景気は、豊かな生活の魅力をさらに高める」と説明した。

  そうかもしれない。しかし待てよ。愛人に与えられる「小遣い」と「プレゼント」が急減しているなら、この職への志願者も減るかもしれない。結局、バンカーと付き合うことは金銭面で、かつてに比べはるかに妙味の薄い行為となったわけだ。従って、バンカーは異性を引き付けるために機知や人間的な魅力を発揮する必要がある。しかし、これらに関するポジションが「ショート」、つまり手持ちのないバンカーもいる。

  20年以上にわたり、金融は世界で最も高級な職業とされてきた。報酬は他のどの業種よりも高く、威信もあった。このステータスは多くの点から評価されたものだ。カネもその1つだが、尊敬、地位、名声なども足し算の中に入っている。攻撃的で野心的な男性が投資銀行でのキャリアに群がった理由の1つは、まるで自分が世界を動かしているような気分になれることだった。

  もっとも、社会学を学んだ者はたいてい、職業選択に際し異性にモテることは他の多くの要素よりも重視される公算があると指摘するだろう。この点で、バンカーはもはや他の職業の上に君臨することはできない。金融業界の大物たちは、わすか数カ月の間に、トップの座から滑り落ちた。このことは、今回の金融危機が教科書の脚注で言及されるだけになるはるか後まで、業界と、そこに働いていた個人の人生に、深い影を落とすだろう。(マシュー・リン)

(リン氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

更新日時 : 2009/02/04 18:36 JST

=====ブルームバーグからの引用 終わり=====



=====以下、ブルームバーグからの引用=====

【コラム】金融危機の正しい責任の取り方、それは自殺?−M・ルイス
1月8日(ブルームバーグ):金融界の人間が逆境に直面したとき、他の世界の人間よりも自殺をしやすいかどうかは分からないが、自殺によって名を上げることができるのは確かだ。

  この点で、金融界の人間は裏切られた恋人や世間に理解されない芸術家のようだ。なぜだろう。ドイツの資産家アドルフ・メルクレ氏や運用者のティエリ・マゴン・ドラビユシェ氏の最近の自殺事件を受けて、当然ながら疑問がわく。

  資産運用会社アクセス・インターナショナル・アドバイザーズのトップだったドラビユシェ氏は、詐欺の疑いで先日逮捕されたバーナード・マドフ容疑者のファンドに自身と顧客の資金を投じ、大金を失った。同氏は昨年12月22日、まだ正確な損失額も確定できないうちに自ら命を絶った。オフィスに閉じこもり睡眠薬を飲んで手首を切った。

  米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、同氏の行動は不名誉な職業でまれにしか見られない高潔な行動だったとのドラビユシェ氏の兄の言葉を報じた。兄はNYT紙に、「弟は責任と罪の意識を感じた」のだと説明。「今日の金融界には無責任が横行している。誰も責めを負いたがらない」と指摘した。

  兄の気持ちは理解できる。意外だったのはNYT紙の記者らが心からこれに同調したことだ。NYTは記事で「ドラビユシェ氏の態度は稀有(けう)なものに見える」とし、「これまでのところ、マドフ事件の立役者たちは頑固に口をつぐんで、謝罪も責任を認める発言も避けている」と書いている。

  ドラビユシェ氏の真意を知るすべはない。もしかしたら、自身の資産を失ったことに絶望したのかもしれない。しかし今は、「責任を取るため」の自殺だったと仮定してみよう。

責任の量は減らない

  しかし現実問題として、同氏が自殺した前と後で、金融界で誰かが負わなければならない責任の量が変化したわけではない。同氏の死は問題を解決もしなければ資産を回復することも、既になされた害を消すこともない。

  ドラビユシェ氏の投資行動によって乱された人々の人生に平穏が戻ったわけではない。これらの人々は今も同様に、失われた財産について嘆いているだろうし、ドラビユシェ氏の自殺についても少しだけ責任を感じているかもしれない。同氏の自殺で顧客らの心が晴れたかと言えば、そんなことはないと思う。

  現在、金融業界では責任の取り方が大問題となっている。金融の専門家たちは、何にもないところから経済危機を創り出したのだから。もちろん、金融家の多くは決して、責任を取りたがらないだろう。しかし、仮に責任を取るとしたら、具体的に何をすればよいのだろう。

  取りあえず、だめな責任の取り方を挙げよう。おおっぴらに悔恨の情を示し、光が見えたと騒ぐのはやめよう。この経済危機への対応として、回顧録を出版したり魂の再生についての講義をしても責任を取ったことにはならない。そのような行動は流行を追っているだけで、メザニン債務担保証券(CDO)を販売した行動と変わらない。

  かつては、CDOを販売することで報酬が得られた。今度は、CDOを売ったことをどんなに後悔しているかを話すことで報酬がもらえるかもしれない。後悔の理由は報酬であって、心を入れ替えた結果ではないと考えるのは妥当だろう。

ボーナス辞退は第一歩

  より良いやり方は、「責任を取る」ことが簡単ではなく、手っ取り早い利益も生まないという事実を受け入れることだろう。今年のボーナスを辞退するのは第一歩だ。もっとも、これも責任の取り方として十分なものではない。

  メリルリンチのジョン・セイン最高経営責任者(CEO)がボーナスを要求して批判の嵐を浴びて以来、ウォール街の幹部たちは2008年のボーナスを受け取るのは総じて得策ではないと意見が一致したようだ。しかし、今年のボーナスを返上したからといって過去5年余りに受け取った不適切な巨額ボーナスが帳消しになるわけではないし、ウォール街の劇的な誤りが経済にもたらした打撃が消えるわけでもない。

  スイスの銀行UBSはもう少し良いことを思いついた。既に受け取った報酬の一部を返還することだ。UBSの複数の元幹部は信用バブルがもたらした偽物の利益に基づいて支払われたボーナスを返還することに合意した。数億ドルを稼いだ上級幹部にとって、これは正しい行為であるばかりでなく有用なカネの使い道だ。

普通の人は

  しかし、より全体的な贖罪(しょくざい)のためには、これらは小さなことにすぎない。金融崩壊に自身が演じた役割について責任を取りたいと考えてもよさそうな人々の大半は、大衆の目にさらされてはおらず、大金を返還する力もない。問題はそこなのだ。失われたカネの大半は、ただ消えてしまったのだ。

  メザニンCDOの発明者や格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスのアナリストらウォール街の「普通の人」はどうしたらいいのだろうか。車でワシントンに行ってクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)悪者論をぶつのか、金融リスクとリターンの関係についての無料講習で講師を務めるのか。

  明確な答えはない。金融家が意味のある有用な形で責任を取るのは難しい。その一方で、責任を取ることが必要になるような問題を引き起こすのは簡単だった。ウォール街は問題がないときにソリューション(解決策)を生み出す能力を示した。今は問題が存在する。何か良い考えはあるだろうか。(マイケル・ルイス)

(マイケル・ルイス氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は、同氏自身の見解です)

更新日時 : 2009/01/09 08:57 JST

=====ブルームバーグからの引用 終わり=====