【12月29日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米次期大統領の準備する景気刺激策は、長期的なインフラ整備と雇用創出事業に重点を置く6750億-7750億ドル(約61兆-約70兆円)規模のものになるだろうと28日、オバマ氏の側近らが語った。

 2009年の米国は、失業率が最大10%にまで上昇し、景気後退が深刻化するという「第2次世界大戦以来最悪の景気見通し」と言われるほどの悲観的状況が予測されており、次期国家経済会議(National Economic CouncilNEC)委員長のローレンス・サマーズ(Lawrence Summers)氏は、300万人の新規雇用創出がオバマ氏の掲げる景気刺激策の「重要な柱」になるとしている。

 サマーズ氏は米ワシントン・ポスト(Washington Post)紙への寄稿で「今回の経済危機では、何かをやり過ぎることよりも、何もしないことが大きな脅威となる」と述べた。

 クリントン前政権下で財務長官を務めていたサマーズ氏はまた「雇用創出と長期的な成長への投資の両方を行うよりも、個人消費を生み出す短期的な投資政策にもっぱら集中すべきだという主張もある。しかし、われわれが現在直面しているさまざまな問題を引き起こしたのが、まさにそうした姿勢であり、長期的な視野で米国の中産階級と経済を強化していくつもりならば、そうした姿勢は拒絶すべきだ」と述べ、オバマ次期大統領の路線はジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)現大統領とは異なる方向性となることを示唆した。

 一方、次期大統領上級顧問に就任するデービッド・アクセルロッド(David Axelrod)氏は28日、米テレビ局CBSに対し、6750億-7750億ドルというのは「確定した数字ではない」と述べた。(c)AFP