【12月6日 AFP】米インターネット検索大手グーグル(Google)は、収益の伸びが鈍化する中、支出や新規プロジェクトを削減する緊縮経営に着手する計画だ。

 3日の米ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)紙によると、グーグルのエリック・シュミット(Eric Schmidt)最高経営責任者(CEO)は、何が起こるか「分からないということを考慮に入れて行動する必要がある」と語ったという。

 シュミット氏は、人気がなく面白くもないプロジェクトを「ダークマター」と呼び、グーグルはこうしたダークマターを削減していくと語った。さらに、グーグルは、1人のエンジニアの実験的プロジェクトに20人の社員を付けることも「もうないだろう」とし、「景気が回復したら、エンジニアが持つ素晴らしいアイデアに資金を回せるようになるだろう」と語った。

 一方、調査機関Global Equities Researchのアナリスト、Trip Chowdhry氏は、「われわれの調査で、厳しいマクロ経済状況によってグーグルのオンライン広告事業が悪化し続けることが明らかになった」と指摘。グーグルの売上高は今年は157億1000万ドル(約1兆4600億円)だが、来年は152億3000万ドル(約1兆4100億円)、2010年は145億7000万ドル(約1兆3700億円)になるとの見通しを示した。

 WSJ紙によると、インターネット検索に連動したオンライン広告の売上高が、現在でもグーグルの売上高全体の97%を占めており、ウェブ決済サービス「Google Checkout」やテレビCMの時間枠を販売する「Google TV Ads」などの売上高は伸び悩んでいるという。

 グーグルの株価は、2日の終値が275.11ドルとなっており、ここ1年で50%も下落したことになる。(c)AFP