【11月9日 AFP】競売大手クリスティーズ(Christie's)が6日に米ニューヨーク(New York)で開催した印象派や近代美術のオークションでは、出品された85点の44%に買い手がつかず、金融業界の混乱が美術品市場にも悪影響をもたらしていることがあらためて浮き彫りになった。

 国際的には依然として潤沢な資金を持つコレクターらは存在するがその数は減り、昨年まで繰り広げられた激しい落札競争や売り手にもたらされた目もくらむような高額な利益は、もはや見られない。

 オークションを主催したクリスティーズのクリストファー・バージ(Christopher Burge)氏は、「(購買層が)世界的に財務問題に直面している」と語った。

■ピカソ、ジャコメッティも苦戦

 今回の目玉の一つ、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)が1934年に発表したシュールレアリスムの作品「Deux personanagesMarie-Therese et sa soeur lisant)」は、事前予想下限の1800万ドル(約17億7000万円)で落札された。事前予想の最高額は2500万ドル(約24億6000万円)だった。

 落札された作品のうち、予想を上回った額での落札はわずかに11%にすぎなかった。

 スペインのキュビズム画家フアン・グリス(Juan Gris)が1915年に発表した「Livre, pipe et verre」もそういった作品の一つで、事前予想の1250万-1850万ドルに対し、2080万ドル(約20億4000万円)で落札された。

 ロシア出身の印象派画家ワシリ・カンジンスキー(Wassily Kandinsky)の「Improvisation」は1500万-2000万ドルの予想に対し、1700万ドル(約16億7000万ドル)で落札された。

 仏印象派画家ギュスターブ・カイユボット(Gustave Caillebotte)の「Pont d'Argenteuil et la Seine」は840万ドル(約8億3000万円)と予想の下限で値が決まったほか、スイスの彫刻家アルベルト・ジャコメッティ(Alberto Giacometti)の「Trois hommes qui marchent I」については予想下限の1400万ドルを大幅に下回る1150万ドル(約11億3000万円)で落札され、関係者を落胆させた。(c)AFP