2008年11月02日

JパワーとTCI 

私が株主だったら訴えるところだ。

TCIだけから、市場価格の3割増で買い取るのは許せない。自分の株式も買ってくれ、ということだ。あるいは、買取を差し止める、ということになるか。

TCIは大儲けだ。実質3割の儲けだから、これは相当なものだ。しかも、彼ら2社、つまり、JパワーとTCIはぐるで、相当綿密にこの計画は練られている節がある。

100%子会社の重要でない事業を、分割して、本社に吸収する。これはやってもやらなくてもいいことだが、これをやることにより、株主が買い取り請求をすることができる、という会社法の規定に関連してくる可能性が出てくることになり、そこへ、分割、吸収の反対をTCIがし、それをJパワーが拒絶することで、TCIに買い取り請求の権利が出てくる。そして、分割が実行されたときに、買取請求が意味を持ち、それに対して、Jパワーが買い取りに応じた、というのが顛末だ。

しかし、私がJパワーで、本当に会社のことを考えていれば、買取には応じない。TCIが買い取り請求をする権利があるのは、分割吸収により、Jパワーの事業内容が大きく変わり、今後の経営のあり方に意見の相違が出てくることによるものだ。違いはどうしようもないから、会社の性格が大きく変わるような分割、吸収のときに、買取をしてもらって株主から抜ける、ということを会社法は守ってあげている。

しかし、今回は、実質的に会社の経営に違いは生じないから、買取請求をする実質的な意味はなく、だから、Jパワーもわざわざ3割もマーケット価格よりも高い価格で自社株買いをすることはない。それどころか、その分、会社の資産をTCIに贈与していることになり、特定の利害関係者に対する利益供与に当たる。まさに総会屋に手切れ金を渡しているのと同じことだ。