アメリカで「行列のできる携帯電話」続々

グーグルのOS、Androidを搭載した携帯電話の第一号、T-Mobile G1が、こんどの水曜日に発売される。前にも書いたように、携帯電話は見た目が大事だと思っているので、いかにグーグル電話といえども、ハードがHTCではたいしたことあるまい、しかも世間では景気がこのザマだし・・・と思った私が甘かった。

少し前に、とある理由でG1を入手しなければならなくなり、オンラインで予約しようとしたらもう「予約分は売り切れ」と言われた。半月待たないと入手できない。ワケあって、発売日に入手したかったので、なんとかならないものか、とT-Mobileの店に行って様子を聞いたら、発売日に店に来れば買えるかも、とのこと。ただ、「それを聞きに来るお客さんがあまりに多いので、たぶんその日はいつもより早い時間に店を開けると思う。前日になれば、ウチの店に何台割りあてがあるか、開店時間が何時になるか、わかるので、前日に電話しろ。」と言われた。

なんだとー!?そんな騒ぎになっているとは!つまり、「iPhone行列」再び、っつーこと?たかが、HTCの電話にっ?アップルじゃないんだよっ!?

で、先週にはT-Mobileですでに予約が150万台に達しているとの記事が出た。
http://gizmodo.com/5062688/t+mobile-sells-15-million-g1-pre+orders

どひゃー!T-Mobileは米国第四位の携帯キャリアで、一応「四大キャリア」と呼ばれる一群(他3社はベライゾンAT&T、スプリント)のどんけつ。今の総加入者数は3000万人弱ぐらいだろう。四半期に100万人加入者が増えたら「いい出来」という感じの規模だから、たった一機種で150万台というのは、T-Mobileにとっては神武景気とドットコム・バブルが一緒に来たぐらいの騒ぎ。

この150万人のうち、実際に使う人がどのくらいだか知らない(私が入手するのも、使うのでなく別の目的なので、そういう人は多いだろう)。iPhoneが「ギークと大衆」の両方で騒ぎになったのとはちょっと違い、G1は「ギーク」の間での現象だと思う。それにしてもこんなニッチなものに150万とは、日本でiPhoneが20万人と言われているのと比べて、アメリカの携帯マーケットというのは一体どうなっとるのか?と思ってしまう。

一言で言えば、「他の端末があまりにダメ」だから、っていうことになるんだけど。それにしても、そこに降ってわいた「行列のできる携帯電話」が、いずれも「アップル」「グーグル」という新参者であることが、ギョーカイの人にとってはショックだろう。

仕方なく、水曜日には早朝から「G1入手作戦」のオペレーションをやらないといけない・・・人ごみも行列もキライなんだけど・・・

ちなみに、私が自分で使う電話は、粛々とBlackberry Pearl Flipに移行する予定(これの赤いやつが出たら、ね・・・)。ついでに、中学生の息子は自分のケータイもSidekickにしろと騒いでいる。どうしても、クルッと開くSidekickがいいんだって。(「G1の評判はどう?」と聞いたら、「まー、たいしたことないね」だそうですわ。)両方とも、T-Mobileだけにしかない。ちょっとハードがお高いので迷っていたが、契約期間2年間のランニングコストを考えると、BlackberryとSidekickのデータプラン契約をベースにして、音声は「プリペイド」で使っただけ払うほうが、今のベライゾンの契約より「お得」という計算になった。私の場合、出張先などでベライゾンのほうがカバレッジがいいという弱点はどうしてもあるのだけれど、全体の利用状況からするとわずかの違いだから、それは我慢しよう。

ということで、T-Mobileはしばらく、加入者増加ぶっちぎり状態が見込めそうだ。