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カフェ・ヒラカワ店主軽薄

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2008.10.16
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カテゴリ:ヒラカワの日常
秋晴れの、冷たい風が気持ちがいい。
中目黒にあるスタジオで、
田中宇さんと80分、昨今の経済問題と国際政治について
縦横に語り合う。

おもしろかった。
共通の見立ては、
最悪のシナリオとしてアメリカのデフォルト(まあ、こうなったら大変だが)
を視野の片隅に入れながらも
現実的には、軟着陸の後、モンロー主義的に回帰してゆくアメリカと
それに変わって現れるヨーロッパ、中国、ロシアなどによる
覇権の再編という構図である。

ただ、今のところ実体経済への影響が
いかほどのものになるのかについては、
ほとんど何もわからない。
想像以上に大きなダメージが現れてくるのではないかと思う。
また、この危機が最終的に修復されたときに
北米にどのくらいの失業者が出ているかについては
かなり悲観的な数字が出てきている。十数パーセント。
実物の市場の購買力が回復してこない限り、
実体経済は回復できない。
海外に輸出すればいいじゃないかというかもしれないが、
痛んでいるのは米国内だけではない。
ユーロ各国も中国も、東欧諸国も、もがいている。
資金移動による弥縫策が有効なのは、
金融市場においてだけである。
これから先、長い忍従の日々に、かの国の人々は
耐えられるのだろうか。

あと、田中氏に聞きそびれたのだが、
日本での金融危機からの回復が遅れた大きな理由のひとつに
ブラックマネーの存在があったと言われているが、
この度の米国発の騒動では、まだこういった
裏事情の情報が出てきていない。
どうなっているのだろう。
誰かわかる人がいれば教えて欲しいものである。

日本の場合、土地バブルが破綻しても、
ITバブルがはじけても、
製造業、サーヴィス業大手とそれにつらなる
下請け会社の会社防衛意欲は衰えることなく、
必死で毀損した金融資産を取り戻すべく企業努力を重ねてきた。
一般消費者もまた、今日ほどには貧富が二極化しておらず、
貯蓄を切り崩したり、節約に励んだりしながらやり繰りをしていた。
それが、徐々に効果を現し始めて実態の市場で、自らの労働力を買い戻すという
消費行動に結びついていった。
消費者と生産者は、現実の市場を挟んで迂回的に協調している。
経済が回るとはそういうことだろう。
そのシステムが回復するには、時間がかかる。

米議会決定の7000億ドルというジャンク化した債権買取の上限は、
金融機関や自動車産業、その他毀損した健保、年金基金などへの資金供給
に必要な金額とは、そろばん勘定が合わないのだが、
どうやら、5兆円(これがバブルの清算金の合計らしいが)ぐらいまでは
どこかから湧き出てくるらしい。

ところで、三菱UFJは、モルガンスタンレーの株式取得に9000億円をつぎ込んだが、
いったいこの意思決定は誰が行ったのか。
米国政府の要請と、それに協調した日本政府の圧力があったと
考える方が自然だろう。
もはや、レバレッジ金融へと戻ることのなくなったモルスタへの
投資は、金融エリートが描く投資原則とはかけ離れている。

まあ、そんなこんなをこの市井の碩学と
話し合ったのだが、
実のところ、ほとんど何もわからない。
骨身にしみてこないということである。
「田中さん、株はやるの」
「いや、やらない。だって、儲かりっこないもの」
俺もやらない。だいたい株に変える原資がないからね。
触ったことも、見たこともない金の話をするのは、
あまり健康なことではない。

来週は、ラジオで小田嶋隆さんと話をする。
骨身に染みこんでくる、せこい話に花を咲かせて、
健康を取り戻す。





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最終更新日  2008.10.17 00:12:56
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