【10月13日 AFP】(一部更新)スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy)は13日、2008年のノーベル経済学賞(Nobel Economics Prize)を、「貿易パターンと経済活動の立地の分析」を行った米国の経済学者ポール・クルーグマン(Paul Krugman)プリンストン大教授(55)に授与すると発表した。

 自由貿易とグローバリゼーションの影響を明らかにし、世界的な都市化の進展を説明する新理論を生み出した業績が評価された。

 従来の貿易理論では国によって輸出品目が異なる理由を国家間の比較優位の差異に求めるが、クルーグマン氏は「世界規模の貿易が実際には、生産条件だけでなく生産品目も似ている国々によって独占されている理由を明らかにした」ことが選考理由に挙げられた。

 クルーグマン氏が打ち立てた世界貿易政策の新しい理論は、グローバリゼーションによって生産拠点の集積化とともに生産品目の集中が進む傾向を明らかにする一助となった。この結果、グローバリゼーションには、人々をこうした集積の中心地へと引き寄せ、都市生活の圧迫度を強める傾向もあることを指摘した。
  
 選考委員の1人は「クルーグマン氏の理論は、こうした過程によって地域が、高度技術化・都市化された都市中心部と、低開発の周縁部に分かれやすい点を示した」と説明した。
 
 世界各地、特に開発途上国の都市では、インフラ整備が対処しきれておらず、激化する都市部への集中は大きな政策課題となっており、都市化による環境汚染も悪化している。

 ノーベル受賞者には金のメダルのほか、同じ賞の受賞者3人までの合計で1000万スウェーデン・クローナ(約1億4000万円)の賞金が贈られる。授賞式はノルウェーのオスロ(Oslo)で12月10日に行われる。(c)AFP