【10月13日 AFP】週明けの世界の株式市場は13日、前週末の20か国(G20)の財務相緊急会合、ユーロ圏15か国と英国による緊急首脳会議を経て、金融不安で信用危機に陥った銀行救済策として各国政府が相次いで計数十億ドル規模の措置を打ち出し始めたことが好感され、欧州の6%高、香港の10%高など、軒並み急反発した。

 13日の欧州各国の株式市場は、取引開始から75分後にはロンドンで5.53%高、フランクフルト(Frankfurt)で6.24%高、パリで6.67%高となり全面高の展開となった。マドリード(Madrid)とチューリヒ(Zurich)の上げ幅は6%を超え、ウィーン(Vienna)では13%も上昇した。

 一方、アジアでは香港株式市場が10.2%高で取引を終えたほか、取引を沈静化させるため一時取引が中断された韓国では3.8%高を記録した。一方台湾は2.15%安となり、前週末24%の下落をみせた東京は、祝日で休場だった。

 中東地域最大のサウジアラビアの株式市場でも13日の取引は5.5%の急上昇で始まり、株価指数はわずか2日前に記録した過去4年間の最安値水準から一気に6000ポイント台に回復した。

■欧州各国、対策打ち出す

 欧州各国の中央銀行は週明けの13日、各国銀行に公的資金による大規模な資本注入に取り掛かった。13日は祝日だった日本もこの方向で動くとみられる。

 英政府は、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(Royal Bank of ScotlandRBS)、HBOS、HBOSを買収するロイズTSB(Lloyds TSB)の国内大手3行に、最大370億ポンド(約6兆4000億円)の公的資金による資本注入を発表した。

 また、英イングランド銀行(Bank of England)、欧州中央銀行(ECB)、スイス国立銀行(SNB)は13日、期限が7日、28日、84日のドル資金を商業銀行に貸し出す計画を発表した。

■オーストラリアも救済策実施

 同じく前週末8.3%安で引けたオーストラリアの株式市場でも、週末に政府が銀行預金の保証を明言したことが好感されて反発、13日の終値は5.6%高となった。

 オーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia)は、深刻な流動性危機を緩和するため、金融市場に28億5000万豪ドル(約1900億円)を供給した。

 豪金融大手ABNアムロ・モルガンズ(ABN Amro Morgans)の顧客アドバイザー、ビル・ビショップ(Bill Bishop)氏は「(豪州)市場のための初の真剣で実効的な対策だ。今日の株価の反発は投資家が自信が取り戻すためには良いことだ」と評価する。ただし、政府の預金保証の規模については、市場の方向性を変えるには十分とは言えないと指摘した。(c)AFP