「この1年で日本が失ったもの」をグラフ化してみる

2008年09月21日 12:00

棒グラフイメージ先に【1年の間にアメリカが失ったもの】でNewYorkTimes掲載による、1年間でアメリカの主要金融系29企業の時価総額の変遷を描いた画像(【A Year of Heavy Losses(アメリカにおける一年間の巨大な損失)】)を紹介し、その棒グラフ化したものを【「1年の間にアメリカが失ったもの」をグラフ化してみる】で掲載した。しかしこれだけでは何となくしっくりこないので、今度は同じ期間における日本の市場動向を同様にグラフ化してみることにした。

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当初は「この1年でアメリカが失ったもの(※「1年の間にアメリカが失ったもの」からタイトル変更)」で取り上げたのと同じ業種、金融・証券セクターの銘柄を対象にしようとリストアップしてみたが、100を軽く突破してしまったので当方の処理能力を超えてしまい、あえなく断念。そこで「コア30」こと「TOPIX Core30」銘柄を対象とし、計算することにした。

「コア30」とは東証第一部市場銘柄の中から時価総額・流動性が特に高い30銘柄で構成された指数。東証が公開している指数データの一つ。詳細は【東証公式サイト内のこちらをご覧あれ】。この採用銘柄を対象に、先のアメリカ版の図と同じ期間の時価総額を算出し、データ化した。金融・証券関連以外の銘柄も多数含まれているため、先のグラフ・図との単純比較は出来ないが、ニュアンス的な「つかみ」は得られるはずだ。

まずは2007年10月9日時点と2008年9月12日時点のコア30企業の時価総額。

2007年10月9日時点と2008年9月12日時点のコア30企業の時価総額
2007年10月9日時点と2008年9月12日時点のコア30企業の時価総額(クリックで拡大表示)

並び順は証券コード順にしたため、でこぼこになっているのはご容赦願いたい。ともあれ、元々時価総額が高い銘柄が集まっているコア30なだけに、単位を「兆円」にしなければならなかったほど、規模が大きいのが分かる。業種が多種に渡るので、先のアメリカ版ほど下落率が一様に高いわけではないが、どこの企業も多かれ少なかれ時価総額を減らしている(=株価が下落している)のが分かる。

金融・証券関連は8000番台のため、このグラフでは比較的下側に位置する。カタカナで「フィナンシャルグループ」「ホールディングス」とありあたりがそれだ。アメリカの同種企業と比べれば減少率はまだ小さいかな? という印象を受ける。


次に時価総額騰落率のみでグラフ化したもの。

2007年10月9日時点と2008年9月12日時点のコア30企業の騰落率
2007年10月9日時点と2008年9月12日時点のコア30企業の騰落率(クリックで拡大表示)

マイナス100%は要するに「株価がゼロ」、すなわち市場から「退場」してしまったことを意味する……のだが、幸いにも今回のグラフには該当するものは無かった。また、先のアメリカ版と比較できるように、横軸の「%」を-100%まで伸ばしてグラフ化したが、いずれの企業も危険領域にまでは達していないことが分かる。なおコア30全体の全銘柄の時価総額を足して算出した騰落率は-27.6%(-52.4兆円)となる。

プラスを示している銘柄は【NTTドコモ(9437)】【松下電器産業(6752)】【セブン&アイホールディングス(3382)】の3つ、もっとも下落率が大きいのは【ソニー(6758)】の-56.3%となる。具体的にはそれぞれの銘柄のチャートを見ればお分かりのように、「たまたまデータ取得前後で大きく下げ(上げ)ている」場合も少なくなく、一様にこれらの銘柄が「優れている」「劣っている」とは言い切れない。とはいえ、グラフ全体を眺め見る、先のアメリカ版のと見比べることで、何かがつかめてくるかもしれない。

このように棒グラフ化してみると、改めてこの一年間の市場の下落ぶりが理解できよう。


(最終更新:2013/08/03)

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