Marc Faber のスピーチに行ってきました

今日は昼間にサンフランシスコのCFA Societyで昼食会・セミナーがあり、スピーカーはGloom、Boom、Doomのニュースレターを主催し世界の大きな景気・投資テーマのトレンドを予測することで知られるMarc Faber氏のスピーチに行ってきました。その直前に、通りの向かいのBloombergのオフィスでビデオ収録し、その内容の方はBloombergのサイトでビデオを見られる様子。

1時間半以上にわたったスピーチの内容をここで簡単に全部書くことはできないけれど、一つの大きなテーマはいまや世界の市場・景気は密接に連動している為、Greenspanの景気拡張策にはじまり、長くバブル・借金経済を続けた米国のバブル破綻に発する不景気は世界中を巻き込む。今まで局所的な不景気はあったが、これほど世界経済が連動するようになってからの市場暴落は今回が初めて。

長期的に見れば、現在まだ一人当たりGDPが低く、「都市化」が進んでいない新興市場、特にアジアの経済成長は大きな流れ。ただし、それが今、妥当な値段であるかどうかは別問題で、特に米国の消費に頼っている中国の輸出はしばらく低迷する。石油も長期的には世界の産出量より途上国を中心とした需要の伸びのほうがはるかに多いので、今後20年くらいの間でみれば価格はまだまだ上がるが、現在の短期局面ではしばらく低迷。長期的な投資のテーマとして一番のお勧めは資源を有する途上国の不動産(但し、都市の金融センターは避ける。)

香港を拠点とするFaber氏の今回の講演の内容はおそらくこの数日の市場危機が起こる前に準備されたものですが、こういったドラマチックな市場のあとでも主張にまったく違和感がないのはさすがでした。