【9月16日 IDO Securities】リーマン・ブラザーズの買収先として有力視されていたバンク・オブ・アメリカ、バークレイズが買収協議から撤退した事もあり、全米第4位の証券会社リーマン・ブラザーズは、米連邦破産法を申請。158年の歴史に幕が引かれようとしている。ISDA(国際スワップデリバティブ協会)は、複数の金融機関がリーマンの破産申請に備え、同社に関連する金融取引のネッティングを開始したとの声明を発表した。今回の動きを一部報道機関が「Bloody Sunday, Black Monday」と報じたように、金融市場は重要変化日(9/15)に大荒れの展開となった。
 今回の動きを受けて、Fed利下げ期待が急激に高まっており、FF金利先物は年内の25bp利下げを急速に織り込んでいる。FOMCに対するコンセンサスが急変化している中、声明のトーンがどのように変化するかにも注目したい。また、今週は火曜日に8月CPI、水曜に8月住宅着工、木曜に新規失業保険申請件数、9月フィラデルフィアFedインデックスの発表が予定されているが、リスクマネー収縮の動きがマーケットのトレンドを主導する中、火曜日のゴールドマン・サックス、水曜日のモルガン・スタンレーの決算発表も注目したい。決算が予想を下回った場合、米金融システムに対する懸念がドルの上値を抑える展開が予想される。一方、決算が予想よりも強い結果となった場合、一旦「株価上昇、クロス円上昇」の展開となる可能性もあるが、GSE救済策が発表された時と同じ様に、ドル買いの動きは長続きしない可能性が高いと見る。
 リスクマネー収縮の動きから、ドルや株と逆相関の金も売られているが、米金融システム不安は早々に解決しないと思われ、ファンドの手仕舞いや換金売りなどで下押した安値は、超長期スタンスから見れば、良い買い場面となるのではないか?

(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(加藤ゆり(ミス東大)の経済教室)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。

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