【9月15日 AFP】経営難に陥っている米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)をめぐる大手金融機関による救済交渉は14日夜、有力候補の英銀行大手バークレイズ(Barclays)銀行が交渉から撤退し、リーマン・ブラザーズは清算手続きに入る可能性が高まってきた。

 匿名のバークレイズ銀行関係者はAFPに対し、交渉撤退の理由として、現在から交渉がまとまるまでの間に結ばれたリーマン側の取引契約を同銀行が保証する必要がでてくる可能性を挙げた。

 この関係者は、バークレイ側が撤退を取りやめる可能性については言及しなかったが、米ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)紙は、交渉撤退の決定はバークレイズ側の「いちかばちかの瀬戸際政策」で、再び交渉の席に戻る可能性はあるとの見方を示している。

 リーマン・ブラザーズの救済交渉は、米政府が同社の損失の一部を保証しない限り成立は不可能だとの見方もあるが、米銀行大手バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)を中心とした救済交渉団は、ほかの交渉相手の可能性を模索しているという。

 救済交渉が成立しなかった場合、今年に入って株価が90%も下落しているリーマン・ブラザーズは数時間以内に清算手続きに入る可能性が高く、近年まれにみる大規模な企業経営破たんになるとされる。(c)AFP/Alice Ritchie