飲んで胃腸の撮影を・カプセル内視鏡システム「エンドカプセル」国内メーカーでは初の製造販売承認取得

2008年09月12日 06:30

カプセル内視鏡システム「エンドカプセル」イメージ【オリンパス(7733)】の子会社であるオリンパスメディカルシステムズは9月10日、日本のメーカーとしては初の、通常内視鏡に匹敵する高画質を実現した小腸用カプセル内視鏡システム「オリンパスカプセル内視鏡システム(Endo Capsule、エンドカプセル)」について、厚生労働省から日本国内における製造販売承認を9月8日付けで取得したと発表した。同商品はすでに2005年10月からヨーロッパ、2007年10月からはアメリカで発売している(【発表リリース】)。

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小腸用カプセル内視鏡「OLYMPUS EC TYPE 1」(左)とビュワー「OLYMPUS VE-1」(右)
小腸用カプセル内視鏡「OLYMPUS EC TYPE 1」(左)とビュワー「OLYMPUS VE-1」(右)

「エンドカプセル」の詳細はすでに【飲んで使うカプセル型内視鏡をオリンパス(7733)子会社が承認申請へ】【飲んでパシャリ! カプセル型内視鏡をオリンパス子会社が承認申請、2008年にも販売開始か】で解説済みだが、小型のカメラや照明を内蔵した錠剤大のカプセルを飲み込むことで、小腸全体の撮影を行えるシステム。患者にとって負担を少なく出来るのが最大の特徴。

カプセル(外径11ミリ、長さ26ミリ)は消化管の蠕動(ぜんどう)運動(みみずのように収縮で動くこと)によって移動しながら1秒間に2枚、約8時間かけて合計約6万枚撮影。撮影画像は、カプセル本体から無線で患者が身に着けたアンテナに送信され、順次受信装置に蓄えられる。患者は、カプセルを飲み込んでから1~2時間後には病院を出て通常の生活に戻れる仕組み。撮影終了後、医師が受信装置から画像データをワークステーションにダウンロードして診断することになる。

ワークステーション「OLYMPUS WS-1」
ワークステーション「OLYMPUS WS-1」

現在内臓の様子を映像で確認するには、直接カメラを口からチューブで送り込む「胃カメラ」形式が一般的。ただし長い「異物」を体内に押し込むことになるので、身体の拒否反応が強く現れ、個人差はあるが大きな心身上の負担になる。最近では鼻からカメラチューブを入れる「鼻から内視鏡」形式も登場し、口からの場合と比べれば身体への負担は軽減されているという話も聞くが、これも結局チューブを体内に取り込むことになるので、「ツラい」ことには違いない、という意見も多い。

今回発売が承認された「エンドカプセル」なら、そのような身体への負担を最小限にとどめつつ、内臓器官の画像撮影と検査を行うことができる。かつて入院していた時に、胃カメラの大変さと身体への負担を死ぬような思いをしながら体験した当方(不破)にとっては、夢のような医療器具に見えてくる。とりわけ胃カメラを嫌うだろう子どもへの利用が期待できよう。

ちなみに「エンドカプセル」のようなカプセル型内視鏡の承認は「日本のメーカーとしては」今回初めて。海外製品ならばすでに【日本国内初のカプセル内視鏡全国販売30日開始、価格は743万円】にあるように、「ギブン画像診断システム」が存在している。複数のカプセル型内視鏡の登場で、市場も広がり、より多くの患者が活用できる機会を得られるに違いない。


(最終更新:2013/08/03)

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