任天堂 売上高2兆円突破を記念し、数字を色々集めてみました

先日「三十歳から四十五歳を無自覚に過ごすな〜任天堂社長 岩田聡氏〜」をアップした数日後の8月29日、「任天堂 売上高2兆円に 2年で倍増」 (任天堂の業績上方修正のお知らせ)の報道がありました。「ついに来た!」という感じでしょうか。

これを記念してというわけではないのですが(笑)、任天堂関係の数字が色々とありましたので、ちょっといくつかご紹介し、任天堂の「強さ」をみようかと思います。

任天堂の売上高・営業利益推移

前回も取り上げた売上推移のグラフに、今回発表の2009年3月期の売上・営業利益予想を追加してみました。

売上高は2007年からのわずか3年間で約2倍の続伸。ベンチャー企業などであれば短期間で売上倍増というケースはありますが、任天堂は売上1兆円に届こうかという巨大企業。これが3年という短期間に「売上倍増・2兆円突破」ですから、任天堂にとってのこの3年間はとんでもないことをやった3年間だと言えるでしょう。

また営業利益は2007年から3年間で売上高の伸びを上回る3倍近い伸び。すごいとしか言い様がありません。よく任天堂の高利益率の理由に製造機能を持たないファブレスメーカーであることが言われますが、それだけではないような気がします。一度良く分析してみたい。

また岩田聡社長就任(2002年)から、売上高は5,548億円⇒2兆円で3.6倍、営業利益は1,191億円⇒6,500億円と約5.5倍に続伸しております。すんごいっすね。。

日系企業時価総額ランキング

下記が08年9月5日時点での日系企業時価総額ランキングです。

任天堂は早々たるビッグネームの中で第5位。つい最近までNTTドコモを押さえ第4位だったんですが、直近を調べたら1ランクダウンしてました。しかしゲームオンリー(今もちょっと花札とかあるんかな。。。)の会社ですからね。この10傑にいる任天堂。かなり異色な存在ですね。。。

ゲーム機販売台数シェア

ゲーム機販売台数のシェアってなかなか見つからないんですが、やっと見つけたものです。私的には世界シェアを探し出したかったのですが、ちょっと見つからず、国内シェア実績です。

2007年度のシェアですが、任天堂圧勝ですね。特に注目すべきはDS。初代DSが04年11月発売、DSLiteが06年3月発売ですが、まだ圧倒的なシェアを維持しているんですね。ちなみに初代PSPは04年12月発売、PSP-2000が07年9月発売、PSP-3000が08年10月16日発売予定で、結構新型モデルを投入していますが、シェアは依然として大きな差がありますね。最近PSPの巻き返しがすごいとよく聞きますし、今後どう推移していくか、目が離せません。

DS・Wii販売台数推移

2006年から2009年のDS・Wiiの販売台数推移のデータもありました。

DSについては、さすがに09年の販売台数は前年を下回るだろうとの予想でしたが、今回の業績修正で250万台上乗せ、前年を上回る3,050万台に上方修正。本当に根強い人気ですね。Wiiは快調そのもの。150万台上乗せし、前年対比47%増の2,650万台。これからどこまで伸ばせるかが勝負どころでしょうか。

任天堂 携帯型ゲーム機 累計販売台数

任天堂のHPに「資料集・ヒストリカルデータ」というコーナーがあり、1980年代からのゲーム機別の販売台数推移のデータがあります。これがかなり面白い。これをベースに色々と見てみました。まずは携帯型ゲーム機累計販売台数です。

これは2008年6月までの実績ですが、DSは累計販売台数7,756万台。先ほどの2009年度の販売予想を考慮すると、2009年度中に一億台を超える可能性は高いですね。

過去の携帯型ゲーム機との比較が面白い。ゲームボーイ約15年かけて1億1,870万台を販売しています。もし2009年度中に一億台を突破すると、約5年弱で一億台を突破することになり、ゲームボーイとの単純比較ですと、DSはゲームボーイ約3倍の速さで売れていることになります。

ですが、ゲームボーイの1億台越えというのもすごいですよね。任天堂据置型ゲーム機で苦しんだ時期が長かったですから、その苦しいときを支えたのがゲームボーイ、そしてゲームボーイアドバンスだったんだろうと思います。

また、日本国内での販売台数割合が3割で、7割は海外での販売。別の情報では、任天堂の海外売上比率はほぼ9割に達しているとのことです。

またソニーPSPの販売台数を入れてみたのですが、07年3月末実績の累計生産台数のデータで行く2,539万台。別の2008年7月の記事ではPSPは08年3月末時点で全世界にて3,760万台を発売という情報も。いずれにせよ、DSはPSPを圧倒した結果になってますね。

任天堂 据置型ゲーム機 累計販売台数

まずは過去の任天堂据置型ゲーム機との比較から。。

初代ファミコン約10年で累計6,192万台を販売Wiiが発売から約1年半で累計2,963万台を販売しており、単純計算で初代ファミコン約3.2倍の速さで売れていることになります。

ちょっと面白いのが地域別販売台数の割合。初代ファミコンスーパーファミコンでのその他(おそらく欧州だと思うのですが)の割合は14%なんですが、ニンテンドー64では21%、ニンテンドーゲームキューブでは22%と段々とその割合を増やしており、Wiiに至ってはその他(欧州)の比率が34%を占めるまでになっています。「エリザベス女王がWii に夢中!」という報道もありますし、ヨーロッパでは任天堂の人気が段々高まってるんでしょうね。イギリス人の友人が、イギリスに帰るときに、秋葉原で大量のポケモンカードをお土産に買っていました。。

それにしても、ニンテンドー64の販売台数の日本国内割合が17%、ゲームキューブが19%とは。。。日本人が買わなかったんですね。。その時に何が起きていたかというと、ソニーのプレステ旋風ですね。

これも初代PSの2007年3月末までの累計生産台数実績PS2の2007年3月末までの累計生産台数実績 PS2の2007年3月末までの累計生産台数実績のデータを使い、初代プレステ、プレステ2プレステ3との簡単な比較をやってみました。。

初代プレステ、プレステ2は本当によく売れたんですね。初代プレステの累計生産台数が1億249万台プレステ21億1,789万台岩田聡社長もすごいんですが、プレステ生みの親である久多良木健・前ソニーコンピュータエンターテイメント社長も、色々言われていますが、本当にすごかったんだなと私は思います。

これでいくと、Wiiの3,000万台というのはまだまだこれからといった感じかな。やっぱりWiiには「累計販売台数1億台越え」を目指して欲しいところ。先ほどのWiiの販売台数推移でいくと、2009年3月末で販売開始から3年で累計販売台数が5,050万台。初代プレステが累計生産台数1億台越えに約10年プレステ2約5年かかっています。またプレステ2は発売から約3年で累計生産台数5,000台を越えており、この比較でいくとWiiの勢いはプレステ2の勢いとほぼ同じぐらいでしょうか。

次世代機は2012年?引き金を引くのは任天堂!?−アナリストなどの記事もあり、今後も任天堂の動きにも目が離せそうにありませんね。


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