効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東京電力が英国の海上風力発電に投資

東京電力豊田通商保有する風力発電大手のユーラスエナジーが、英国の洋上に50万キロワットの風力発電設備を建設します。英国政府の事業許可も得たようですが、ユーラスが、英国、デンマークの大手電力会社と3社で設立した事業会社が建設と管理を担当することになっています。総事業費のほとんどをプロジェクトファイナンスで調達することになっていますから、収益性が高く、投資リスクが小さいということでしょう。東京電力が間接的に投資する形になります。
英国の電力会社は再生可能エネルギーから作った電力を一定の割合で供給することが義務つけられています。よくRPSといわれているもので、現在9.1%のものを2015年までに15.4%に拡大しなければなりません。日本の電力会社もこのRPS制度の義務を負っているのですが、その割合が同じような年数で2%以下という極めて低いものになっていますから、再生可能エネルギーを増やそうという真剣さが小さいのです。英国の電力会社はRPSの達成できなければ政府からペナルティーを受けますから、多少高い電力でも購入してくれます。おそらく長期間高い価格で購入してくれる契約ができているはずです。
英国の沿岸部はかなり遠浅ですので、洋上風力発電には適していると言われています。海は陸に比べると風が強く、しかも常に吹いていることが多いですから、発電機の稼働率も陸上に比べてかなり高くなります。洋上に建設するコストは高いですし、塩害の防止などに手間もかかるのですが、この風況の良いことが収益性の基本になっているのです。
日本でも洋上風力発電は検討されていますが、海がすぐに深くなるために、浮体構造物を浮かべて、それに風力発電設備を立てるのが主流になると言われています。英国に比べて建設コストは大幅に大きくなるでしょう。しかし、英国に進出した日本の事業者は、洋上風力で経験したことを基にして、日本の洋上風力が増大するように情報をフィードバックしてほしいものです。東京電力管内には風が吹く地域が陸上に少ないですから、いずれ洋上風力の利用を考えないといけないでしょう。単なる投資だけに終わらさないようにすることを願っています。
稼働は2012年ということです。普通の火力発電所に比べて建設期間は大幅に短くなっています。投資リスクが小さくなる一つの要因ですし、英国のRPSがそれをさらに支えることになります。日本でも、風力発電事業者に収益性を確保し投資リスクを小さくなるような政府の施策導入が求められます。ただ、不安定な電源だと言って文句ばかり言うのではなく。