魅力的な業種は「衣料、へルスケア」…野村證券(8604)、2008年8月計測分の個人投資家動向を発表

2008年09月06日 12:00

株式イメージ【野村證券(8604)】の金融経済研究所は9月5日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2008年8月計測分、PDF】)。投資家の個人市場観独自指数は低水準のままて、株式市場を取り巻く環境にネガティブな見方が広まるなど、市場動向に対する意向が悪化し、投資家も取引を手控えている状況が見受けられる。

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今調査は1000件を対象に8月20日から22日に行われたもので、男女比は70.1対29.9。年齢層は40歳代がもっとも多く35.3%、ついで30歳代が25.4%、50歳代が22.1%など。金融資産額は1000万円~3000万円がもっとも多く25.3%、500万円~1000万円・200万円~500万円が21.1%と続いている。1銘柄あたりの保有期間は2年から5年未満がもっとも多く30.4%を占めている。次いで5年以上が21.5%、1年から2年未満が20.2%。投資に対し重要視する点は、安定した利益成長がもっとも多く47.4%と約半分を占めている。ついで配当や株主優待が30.8%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は先月と比べてやや上昇するも、過去最低水準の域。1万2000円~1万4000円の範囲で今後三か月間は推移するとの見方多し。
・株式取引への意欲減退の傾向。取引の手控え。回復基調弱し。
・「市場への影響が考えられる要因」ではマイナス回答が多く、特に「国内景気・企業収益」「市場要因・心理的要因」項目ではDI値が過去最低。
・魅力的な業種は「衣料、へルスケア」。「建設、不動産」は過去最低。
・国内政治情勢が株価に与える影響はマイナスと考えている人は55.1%。


という形に。8月は7月以上に軟調な雰囲気の中で相場が展開しており、「さらに下げるのでは」という市場への不信感が全体をとりまいている。さらに昨年8月17日の「サブプライムローン・ショック」が思い返されるのか、それを意識した警戒の動きも見えた。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、上位5銘柄の多くは変わりがない。資源高で厳しい状況が伝えられる【東京電力(9501)】だが、今回は五位への復帰を果たした。また、医薬品セクターの重鎮である[武田薬品工業(4502)]が第二位についているのも注目に値する。

1位……[トヨタ自動車(7203)]
2位……[武田薬品工業(4502)]
3位……【ソニー(6758)】
4位……[任天堂(7974)]
5位……【東京電力(9501)】


上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。つまりそれだけ今後も活発に売買が行われる可能性が高い。トップの[トヨタ自動車(7203)]はもはや鉄板順位で間違いないはない。また、ディフェンシブ系の銘柄として名高い電気セクター・医薬品セクターの順位が上がっているのも、相場全体の軟調さを表す一つの指針ともいえよう。

今回のデータにあるように、8月には7月以上に「色々な要因に後押しされながら、じわじわと下り坂を下っている」ような株価動向。日経平均株価は1万3000円台を割り込み、去年の夏や今年の初頭、春先のような急落が再発するのではないかという懸念が、投資家の脳裏をよぎっている。国内の景気動向も不安定なまま、さらに悪化の様相を見せ、国外要因も良いとは言いがたい昨今。直近の市場に対する手控え感が加速するのも仕方の無い話といえよう。

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