◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

ソフトバンク、試練の秋?

2008-09-02 | 会計・株式・財務
福田首相、電撃辞任を記念いたしまして、
久々にソフトバンクネタ。


総合情報誌FACTA 9月号

孫正義キャッシュフロー「大変」
コベナンツ(特約条項)の拘束。
初の売り上げ減で銀行が緊張、今秋迎える重大ハードルの数々。



詳細は実物でご覧いただくとして、
要するに、ソフトバンボーダフォン買収資金に1兆4500億円を用立てた、
みずほ信託銀行との関係が焦点だそうでして、
融資の際の「特約条項」によると、
わずかでも売上高減少に転じた場合、融資分が問題債権扱いされるとか。


この特約条項は、財務制限条項のことなのでしょう。
有報の91枚目(89ページ)にざっくりと書いてありますが、
これでは投資家はよくわからない。

ソフトバンク 08/3期 有価証券報告書

・・・と思っておりましたら、昨年秋にどなたかが解説記事を書かれておりました。

ソフトバンクが必死な理由は「財務制限条項」にあった
(ちなみにこの方の記事の末尾の意見、すなわち
 事業の証券化しているのに、携帯事業を連結しているってのはおかしいのでは?
 との意見に賛成です。投資家がこの会社の企業価値を見誤るのではと心配です)


この解説記事によりますと、5つある財務制限条項のうち、
ハードルが高いのは「携帯の契約者数」とのことでして、
経営戦略としては遮二無二、ここを増やす施策を打ちまくることが容易に
想像できますし、最近のiフォーンを含めた販促の力の入れ方も
納得できます。


しかし、契約者数の増加という意味では、この第1四半期も純増でクリア
できているはずです。
短信のp.4では前期末比で267万人増加している、って書いてありますから。


ソフトバンク 09/3第1四半期決算短信


もともとFACTA誌のいう、「減収なら問題債権扱い」っていう規定は
なかなか投資家が確認することは難しい。
すぐれて銀行内部のルールの可能性は高いし、
百歩譲って特約条項となったとしても
有報の注記として記載される可能性も低いのでしょう。
要は、裏付けが取れないので何ともコメントしがたい、というのが本音です。

でも、それが事実だとすると、確かに大きな問題となるおそれも・・・・・。
将来リファイナンスが苦しくなって、・・・・・・・
そう。最近の急成長の新興不動産会社で見られたような、
資金繰りの問題に直面するかも。


1Qでは割賦債権の流動化を453億円実施(p.13)。
前期末で2,190億円実施してますから2割増。
この他、新規取得資産のリース化とかなり振り構わぬ流動化・・・・。
「資金繰り繁忙」という言葉は当社のためにあるかも。


あと良く分からないのが、割賦債権は相当程度あるはずなのですが、
負債サイドに計上されるべき、いわゆる「割賦繰延利益」ってのは
無いんですかね?
もし無いとすると、全額流動化してしまって、その際に、実現益を計上、
はたまた割賦売上なのに販売時に全額収益計上しているんですかねぇ?
結局のところ(語弊がありますが)利益を嵩上げしているんですかね?


仮定の話ではありますが、利益も資金も前がかりになっているとすると、
新興不動産会社のようにちょっとした軋みで崩壊する・・・・・
ソフトバンクがそうならないことを祈るだけです。


(以上、不勉強な点もかなり、ありましたので
 素人の戯言として聞き流して下さい。)


・・・・・しかし、いつ見ても、わかりにくい会社。
深入りは禁物との見方は変わりません。




++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


・・・・・・で、本日は3曲。

9月ということで、ベタですが、この曲。

竹内まりや September
 福田首相、あなたも”秋に変わった”、そして”さよならの国”



竹内まりやと言えば・・・・。

「駅」
どうやら神田駅の中央線ホームのようです。





駅といえば連想されるのは、・・・・


「家に帰ろう(マイ・スィート・ホーム)」


いやぁ、懐かしいけどいい曲が多い!

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