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楽天の1Q、増収・経常減益 「経常利益率25%目指す」

» 2008年05月16日 16時04分 公開
[ITmedia]
画像 三木谷社長

 楽天が5月15日に発表した2008年1〜3月期(1Q)連結決算は、楽天市場などが好調で売上高は前年同期比22.9%増。だが、証券事業の不振や、開発費・施設関連費がかさんだ影響で、経常利益は4%減った。

 売上高は595億2200万円、営業利益は72億1300万円(16.9%増)、経常利益は69億9200万円、純利益は18億8900万円(12.8%減)。

 同社の三木谷浩史社長は「ベンチャー時代よりコスト高になり肥大化している」と認識しており、今後はコスト削減に注力。都内に複数ある拠点を新オフィス「楽天タワー」に集約するなどし、1Qは11.7%だった売上高経常利益率を、12月までに単月で25%まで高めることを目指す。

楽天市場は「機能を付けすぎた」 費用対効果重視へ

 主力のEC事業は増収減益。売上高は21.9%増の211億1300万円で、営業利益は9.4%減の40億3800万円だった。

 楽天市場と楽天ブックスの流通総額が26.5%増の1520億円になるなど順調に伸びたが、台湾版の楽天市場楽天市場の物流代行サービスといった新サービスの開発などにコストがかかった。

 「EC事業ではこれまで矢継ぎ早にいろんな機能を付け加えてきたが、少しやりすぎたかなと感じている。売り上げを伸ばすために費用対効果を意識せずに開発してきたが、今後はそこを意識していく」

 楽天市場では、特に携帯電話サイト経由の流通が好調。全体では、化粧品やコンタクトレンズなどがよく売れているという。台湾版の楽天市場も5月5日にオープン。15日時点での出店数は約300、会員数は約9万で、「日本版のレベルに追いつくようやっていきたい」と話した。

ドリコムなど通じて広告を強化

 「Infoseek」「楽天リサーチ」などのポータルメディア事業は内部売上高が減少し、売上高は0.8%減の36億3600万円。開発関連費がかさみ、営業利益は74.2%減の5100万円となった。

 今後は出資先のドリコムと行動ターゲティング広告を展開したり、プロヴィデンスから譲り受けた広告ネットワーク事業「ぴたっとマッチ」を活用して広告事業を強化する。

 証券事業はサブプライム問題の影響を受け、売上高が20.2%減の63億2000万円、営業利益が36%減の8億6500万円にとどまった。楽天KCと楽天クレジットを合わせたクレジット・ペイメント事業の売上高は7.9%減の166億3600万円だった。

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