東京証券取引所は2008年8月26日、証券会社の受発注システムの一部を自社のデータセンターなどで預かり、取引所の売買システムに直接接続する「コロケーションサービス」を09年から提供すると発表した。相場データや売買データの授受が高速化するため、相場状況からシステムが自動的に銘柄や発注量、発注のタイミングを計算する「アルゴリズム取引」の取引時間短縮につながる。

 09年前半に稼働を予定するオプション取引システム「Tdex+システム」と、同11月に稼働予定の現物取引の売買システム「arrowhead」では、システムの稼働と同時にサービスを提供する。すでに稼働している先物や立会外の取引を担う「派生売買システム」については、同4月に予定する新基幹ネットワークシステム「arrownet」の導入後からサービスを開始する。

 コロケーションサービスは米国のニューヨーク証券取引所やナスダック証券取引所などがすでに提供している。近年急速に拡大しているアルゴリズム取引では、証券会社の受発注システムと取引所のシステムが相場・売買データをやり取りする際に発生するロスをできるだけ減らすことが重要になる。東証はコロケーションサービスの提供で、取引を高速化したい機関投資家にアピールする考えだ。