米Microsoftは,10年にわたって低迷続きの株価引き上げを狙い,まもなく200億ドル規模の自社株買いを実施する模様だ。米Bloombergが,スイスUBS Investment Researchアナリストのコメントを引用したニュース記事で報じた。買い戻しは3カ月かけて行う。自社株買いの規模は,これまで同社が計画したどの買い戻しより5倍も大きい。

 UBSアナリストのHeather Bellini氏は,Bloombergに対し「Microsoftは2008年9月か10月には株式買い戻しを始めるだろう」と答えた。同氏は,Microsoft側担当者との会談後に出した,7月25日付けアナリスト・ノートでこの情報を公表した。

 Microsoftの株価は過去数年のあいだ不思議と安定していたが,2008年に入って25%以上も下がった。この下落は,同社の米Yahoo!の買収断念と符合する。両社は買収騒ぎでリソースと時間を浪費し,仲良く株価にまで打撃を受けた。Bellini氏によると,現在Microsoftの株式は,22年前に公開されてから最低の株価収益率で取引されているという。

 Microsoft最高財務責任者(CFO)のChris Liddle氏は,同社の株がこのところ「信じられないほど期待に反した状況」に見舞われており,買い戻しは「回復につながる」と述べた。Bellini氏は「買い戻し作業が完了しない限り,Microsoftからの発表はない」としている。