夏野氏「2ch見てる」、ひろゆき氏「オッサンですね」――「ニコ夏」イベントで共演

[岡田有花，ITmedia]

　「社内でTシャツ着て歩いてる人がいて、何だこのオッサンと思ったら夏野さんだった」「ひろゆきは裁判出てないくせに」――7月4日に開かれた「ニコニコ動画（夏）」の発表イベント「ニコニコ大会議2008」で、ニワンゴ取締役で2ちゃんねる（2ch）管理人の西村博之（ひろゆき）氏と、元NTTドコモ執行役員で、ドワンゴ顧問に就任した夏野剛氏が進行役として共演した。

　リハーサルなしのぶっつけ本番だったというが、息の合ったお笑いコンビのようなトークに、JCBホール（東京・後楽園ホール）に集まった2000人のユーザーは大いに盛りあがり、笑いと拍手が会場中に何度も響いた。

「黒字！　黒字！　黒字！」（夏野氏）

　「ニコニコ動画の魅力にハマり、われわれの元にやってきた」――ドワンゴの小林宏社長にそう紹介された夏野氏。登場前に流れたインタビュービデオでは「ドコモが、まぁ、つまんなくなっちゃったんですね」「ニコニコ動画は世界に行ける、初めて日本から出てきたプラットフォーム」と話していた。

　拍手と歓声に包まれて登場した夏野氏の第一声は、「ちょっと後悔していますが、とりあえず、黒字化するために頑張るぞ！」。大きな歓声が夏野氏を包む。

　そして始まったひろゆき氏との掛け合い。夏野氏が「僕、今日ドワンゴの顧問に就任したんですけど、いきなりプレゼンすることになりました。ひろゆきがリハーサルに来なかったから。携帯電話のプレゼンより緊張する」と言えば、「今日はすげー気が楽です」とひろゆき氏がすかさず返す。

　「ニコニコ動画の黒字化担当」を自認する夏野氏は、プレミアム会員限定サービスなど有料サービスを紹介する際、「黒字！　黒字！　黒字！　会社だから許して！　ごめん」としつこくお金に執着し、会場の笑いを誘った。

「何だこのオッサン」（ひろゆき氏）

　ニコニコ動画では今回、裏原宿系の人気ファッションブランド「Suicommi Underground」とコラボレーションしてTシャツなどを制作。ひろゆき氏はそのモデルとして、Tシャツや帽子を身に付け、メイクをしてポーズを決めた写真を撮った（ニコニコ動画内の販売サイト）。

　ひろゆき氏はこういう服や撮影が「絶対に嫌だった」というが、「（ニコニコ動画開発者の）戀塚（こいづか）昭彦さんがやるなら僕もやる」と言ってしまったのが運の尽き。断るとばかり思っていた戀塚さんがノリノリで引き受けたため、自分もやる羽目になったという。

　写真を見て夏野氏が「かっこいいじゃない。服装で人って変わるよね」と振るとひろゆき氏は、「そういえば、社内でTシャツ着て歩いてる人がいて、何だこのオッサンと思ったら夏野さんだった」と返し、会場からは爆笑が。

　ひろゆき氏はその後も夏野氏を「オッサン」呼ばわり。「このオッサン自由だなぁ」と言えば、夏野氏に「オッサン言うな！」と返される一幕もあった。

「裁判でてねぇくせに！」「2chは最初はムカついた」（夏野氏）

　ゲストとして登場した、タレントで「ニコニコ国際映画祭」審査員の松嶋初音さんに、ひろゆき氏が「女の人はニコニコ動画怖がる人が多いのに松嶋さんはよくやるよね。ブログも炎上してたじゃない」と振ると、夏野氏は「裁判出てねーくせに！　おまえが言うな！」と激しい突っ込みを入れる。

　夏野氏は2chの自分に関する書き込みを見ているという。「2chは、最初はものすごくムカついたけれど、だんだん、ちょっとしたプラスの言葉がものすごくうれしくなって。そういう書き込みをしてくれている人が『本人（自作自演）じゃねーか』といじめられているのを見ると『俺は書いてないのに！』と思う」

「うちの奥さん、ニコ厨です」（夏野氏）

　夏野氏の家族は、夏野氏がドワンゴ顧問になったことを心配しているという。理由は「ニコニコ動画を見たことがなかったから」。だが最近「うちの奥さんがMADにハマってニコ厨になっちゃった」そう。「ニコニコ動画の面白さはまだ伝わっていない。それが分かってもらえればどんどん広がる」

　ニコニコ動画の最も弱い部分を「既存の大企業のオッサンやテレビ局などとお話すること」と夏野氏は指摘。「そういう方を1人でもニコ厨にすることが僕のミッションだと思ってる。ニコ厨にしてしまえば、こっちのもんです」

　最後にひろゆき氏が「今後とも（夏野氏と）一緒に頑張っていきたいのでよろしくおねがいします」と締め、2人は大きな拍手を浴びた。

　ちなみにニコニコ動画の次期バージョンは「ββ」（ダブルベータ）になるそうだ。