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Yahoo!が語る「MSよりGoogleを選んだ理由」

» 2008年06月26日 15時33分 公開
[ITmedia]

 米Yahoo!は6月25日、米Microsoftとの買収取引よりも、Googleとの広告提携を選んだ理由について説明した。

 米Yahoo!は6月12日に、Microsoftとの買収協議の終了と、Googleとの検索広告提携を発表した。同社のロイ・ボストック会長とジェリー・ヤンCEOは株主あての書簡で、この決定の正当性を訴え、同社取締役を入れ替えようとする投資家カール・アイカーン氏の計画を支持しないよう呼び掛けている。

 Yahoo!とGoogleの検索広告提携は、Yahoo!の検索結果ページにGoogleの検索キーワード連動広告を表示するというもの。Googleは広告収入の一部をYahoo!に支払う。この提携は、Yahoo!に最初の12カ月間で約2億5000万〜4億5000万ドルの営業キャッシュフローをもたらすという。同社はこの提携を、業績を向上させることと、ネットユーザーの「玄関」になり、広告主に魅力的な価値を提供するという戦略的目標を進めることを適切に両立させていると評価している。また、この提携が非排他的であり、Yahoo!がMicrosoftなどほかの企業と提携する余地がある点を、Yahoo!のオープン戦略の自然な延長としている。

 一方Microsoftは、Yahoo!を丸ごと買収する代わりに、Yahoo!の検索事業を10億ドルで買収し、Yahoo!に80億ドルを出資することを提案した。ただしMicrosoftは、10年間の排他的契約を要求したという。この条件では、Yahoo!は検索において全面的にMicrosoftに依存することになり、MicrosoftがYahoo!の今後の行動に拒否権を行使できることになるため、「Microsoftにとっては有益かもしれないが、Yahoo!の戦略には悪影響を及ぼす」とYahoo!取締役は判断したという。また財務的な面で見ても、営業キャッシュフローの大きな改善にはつながらないとの結論に至ったとしている。

 こうしたことから、Yahoo!は、Googleとの提携の方がMicrosoftへの検索事業売却よりもはるかに優れていると主張し、取締役会の判断を強く支持した。株主価値の最大化という点で、現取締役はアイカーン氏が提案する取締役候補よりも適格だと訴えている。

 Yahoo!は8月1日に株主総会を予定しており、そこで取締役の選出が行われる。

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