【5月8日 AFP】ナイジェリアのGlobal Biofuels(本社:ラゴス)は、同国が世界一の生産高を誇る穀類、ソルガムからバイオ燃料のエタノールを作るプロジェクトをいよいよ本格化させる。

 同社はナイジェリア国営石油公社(NNPC)およびインドのバイオ燃料開発会社Praj Industriesと提携し、オンド州に1万ヘクタールのソルガム畑を併設したエタノール精製工場を建設して、2009年夏にも生産を開始したいとしている。

 おりしもバイオ燃料の開発が食料価格の高騰を招いていると指摘される中、同社取締役のアラン・サレラ(Alain Salleras)氏(フランス人)は、ソルガムがサトウキビよりも生産性と環境面の両方で勝っているとして、「食料生産には影響しない」ことを強調する。

 第1に、ソルガムの栽培はサトウキビの4分の1の水で済む。第2に、年に2、3度収穫できるので、1ヘクタールあたりのエタノール生産高はトウモロコシの場合の4倍になる。そして第3に、無駄になる部分がないというのだ。エタノール精製には茎の部分だけを使用し、穀粒は食用に、他の部分は家畜の飼料になる。残った繊維質も、バイオマスとして発電に活用されるという。

 サレラ氏は、「2020年までに消費エネルギーの10%を非化石燃料由来のものにするという京都議定書(Kyoto Protocol)の取り決めが、この国でも初めて長期計画として実施されることになる」とも語っている。

 初期の日量の生産は9000リットルを見込んでいる。これはナイジェリアの1日当たりの燃料消費量3000万リットルのごく一部にしかならないが、同社は、生産開始から3-5年以内にその5%程度にあたる日量150万リットルまで増産できるとみている。また、国内各地に飼料工場を兼ねたエタノール精製工場を建設する予定で、8000人の雇用が創出されるという。

 ナイジェリアはアフリカ最大の産油国だが、インフラの不備により慢性的な燃料不足に陥っている。今後はバイオ燃料が、こうした問題の解決の一助になることが期待されている。(c)AFP

Global Biofuels社の公式ウェブサイト(英語)