クレオは自社の業務パッケージ「ZeeM」シリーズを活用し、10月にもSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)事業に乗り出す。6月20日に行われた今後のZeeM事業の展開に関する記者会見で発表したもの。SaaSのプラットフォームを提供するプロバイダと協業し、中小企業市場を開拓していく。

 自社ブランドで提供するだけでなく、プラットフォーム先のブランドでも対応。まず会計や人事・給与などの単体の業務パッケージを月額料金で提供する考え。料金体系は提供形態に応じて個別に詰める。「SaaSを推進することでパッケージ導入の敷居を下げ、新規開拓につなげたい」(土屋淳一社長)。クレオは6月2日、インテックホールディングスとSaaSビジネスの推進も含んだ包括的な業務提携も発表している。

 ZeeM事業ではこのほか、中堅企業向けを狙った施策として、パッケージに追加して使う「決算開示短縮パック」「パートアルバイトマネジメントパック」を8月に発売する。決算開示短縮パックは、ZeeMの会計パッケージで処理した決算データを、連結決算や開示書類作成システムと連動させる機能を持つ。パートアルバイトマネジメントパックは、従業員の就業管理などのソリューションになる。

 中小企業向けではSaaSだけでなく、パッケージ販売も推進。テンプレートで低価格で短期間に導入できるような簡易導入モデル「スリムパック」を10月にも用意する方針だ。

 SaaS以外にもサービス事業として、ZeeM製品やハードなどを一括して提供するアウトソーシングを開始していく。セキュリティや内部統制を意識したサービスを提供するという。

 パッケージやサービスなど一連のZeeM事業の展開で、クレオは年間10億円の売り上げを目指す。