梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

ベトナムが大変らしい

http://arfaetha.jp/ycaster/diary/08/06/08.html
http://arfaetha.jp/ycaster/diary/08/06/10.html

アメリカがインフレ抑制と、それとの関連でドル価値維持政策に舵を切ったことは、アラブ諸国との関係の中では理解できる。しかし今現在アジア、特に経済のある意味での危機が取りざたされているベトナムにいると、このままのドル価値の諸国通貨、特にアジア通貨への上昇は、これら諸国にとって非常に重荷になる、と思う。

 そして火曜日のハノイの新聞「THANHNIEN DAILY」の一面左の記事は、「IMF says it isn't in talks with Vietnum on loans」となっている。ベトナムIMFからの借り入れ、それは起きうる対外収支危機(今年年初から5ヶ月は経常収支は10億ドルの黒。しかし貿易収支は赤基調)への対処でしょうが、を話し合っていることはない、という見出しです。ということは、市場に根強い観測があると言うことです。

http://ovhin.blog56.fc2.com/blog-entry-441.html

ベトナム経済がボロボロです。

2008年5月のCPIは前年同期比25.2%の上昇率となり、7ヵ月連続で2ケタの上昇を記録しました。資源高を背景とした輸入インフレに苦しむベトナムは今年3月に自国通貨であるドン高を容認し、インフレ抑制につなげる方針を表明し、ドルの対ドル相場の1日の許容変動幅を従来の0.75%から1%に拡大させたんですが、それが結果的に裏目に出て、これまでのドン高基調が一転。逆にドン安が進行しています。

中国政府はこれまで経済成長とインフレ抑制とのバランスに注意を配りながら、経済の舵取りを行ってきたわけですが、ベトナムの失敗を通じてインフレリスクを再認識したのではないでしょうか。中国人民銀行が6月7日発表した計1%の預金準備率引き上げはある意味、異例のタイミングでしたし、市場からは一部で意外感を持って受け止められたみたいですけど、僕にはインフレ退治を最優先課題に掲げる当局の決意の表れのように感じられます。

http://www.caijing.com.cn/20080613/69591.shtml

高盛中国经济学家梁红认为,越南经济动荡对于中国经济的传染效应风险较为有限,但提供了宝贵的经验教训。她认为,中国从越南宏观经济当前的困境中可以汲取的宝贵经验教训包括以下三个方面: 1) 人为压低汇率过长时间会给宏观经济带来巨大的风险;2) 允许国内通胀急剧攀升以纠正实际汇率被低估的局面可能严重破坏宏观经济的稳定发展;3) 在货币面临结构性升值压力之际,允许名义汇率升值是更为理想的政策选择。但是,如果升值压力持续存在,央行需要密切关注和控制国内信贷筯长以阻止流动性过剩现象愈演愈烈。

越南经济动荡可以为中国提供什么样的前车之鉴呢?梁红指出,越南经济急转直下的经历再次凸显出币值被低估过长时间给宏观经济带来的巨大风险。实行市场化改革和于 2007年年初加入 WTO,已经显著改善了越南经济的基本面,从而吸引大量资本涌入该国境内,并给越南盾的实际汇率带来了升值压力。与其众多亚洲邻国相同的是,越南也采取了大规模购买外汇以抵制名义汇率升值的做法。然而,央行未能对冲这些外汇资金,同时允许国内信贷快速扩张。2007年,越南国内信贷同比筯长了54%,进而导致国内投资飞速筯长,其结果是给国内造成了严重的通胀压力。因此,随着目前的整体通胀率由 6个月前的 10%猛筯至 25%,越南盾的实际汇率由被低估迅速演变为被高估。