「Googleで変えたい」と富士ソフトの堀田副社長クラウド時代到来(1/2 ページ)

富士ソフトが「Google Apps Premier Edition」の本格販売に踏み切った。SaaS市場の拡大を睨むとともに、大半が技術者という同社を変革するには、クラウドコンピューティングの未来に確固たる信念を持つGoogleの力が必要だという。

» 2008年06月11日 22時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 富士ソフトは6月11日、都内のオフィスで記者発表会を行い、Google Appsの企業向けバージョン、「Google Apps Premier Edition」を本格販売することを明らかにした。

グーグルの村上社長(左)と富士ソフトの堀田副社長

 Google Appsは、Googleがホスティングするコミュニケーションやコラボレーションのためのツール群。「Gmail」や「Googleドキュメント」(文書作成や表計算)などから構成され、小規模事業者や教育機関向けには無償版も用意されているが、今回富士ソフトが販売代理店契約を結んだのは、24時間体制のサポートや99.9%のメール稼働率を保証し、容量もアカウント当たり25Gバイトまで提供される有償のPremier Editionだ。

 パートナーとしては、Salesforce.comが既に名乗りを上げ、自社サービスと組み合わせて販売しているものの、Google Apps Premier Editionそのものを販売する代理店契約は、富士ソフトが国内初となる。

 記者発表会に同席したグーグルの村上憲郎社長は、「昨年2月、国内でもGoogle Apps Premier Editionの販売を開始し、クラウドコンピューティングによって実現されるSaaSに対して一定の理解が得られてきた。サポートの全国網を持つ富士ソフトの協力を得ることで、さらに弾みがつく」と話す。

 Googleはコンシューマー向けのプレーヤーとみる企業ユーザーも多いが、「クラウドコンピューティングのコンセプトは、コンシューマー向けだけではなく、企業向けのシステムでも十分機能する。企業向けのシステム開発で実績があり、信頼も得ている富士ソフトに先導してもらいたい」と村上氏は期待する。

 グーグルとのアライアンスを主導した富士ソフトの営業本部長、堀田一芙副社長は、「かつてのWindowsがそうであったように、SaaSも成熟が進んでいる。高い可用性とセキュリティを低コストで実現するGoogle Appsによって、旺盛なコンピューティング需要を抱え、なおかつ、グリーンITも意識し始めている情報システム部門のニーズに対して機敏に対応したい」と話した。

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