【5月5日 AFP】日中韓と東南アジア諸国連合(Association of Southeast Asian NationsASEAN)の13か国(ASEAN+3)の財務相は4日、アジア開発銀行(Asian Development BankADB)年次総会が開かれているスペイン・マドリード(Madrid)で会合し、アジア地域での通貨危機対策として、各国が外貨準備から総額800億ドル(約8兆4000億円)を拠出し緊急支援の資金とすることで合意した。

 共同声明によると、日中韓が資金の80%を拠出し、残りをASEAN10か国で分担。法的拘束力をもつ協定の適用下で自主管理方式で運営する。

 97-98年のアジア通貨危機を受け、ASEAN+3は2000年、危機の再発防止を目的に2国間で通貨を融通し合う「チェンマイ・イニシアチブ(Chiang Mai Initiative)」を採択しており、今回の決定はその拡大版にあたる。国際通貨基金(International Monetary FundIMF)の「アジア版」設立に向け大きな一歩を踏み出したかたちだ。

 アジア通貨危機では、インドネシアやタイ、韓国の通貨が暴落し、3か国はIMFの厳しい制約の下で財政再建を図ることを余儀なくされた。(c)AFP/Daniel Silva