【5月5日 AFP】米国4月の自動車販売台数は1992年以来の低迷を見せたが、従来から人気の高かったトラックやスポーツタイプ多目的車(SUV)車が強い落ち込みを見せる中、中型車やコンパクトカー、ハイブリッド車といった低燃費車が好調を維持している。自動車の流行は音楽やファッションと比べるとゆっくりと変化すると言われているが、米消費者が急速に好みを変化させていることが4月の販売実績からうかがえる。

「大きな車よりも小さな車が売れている」と、米国トヨタ自動車販売(Toyota Motor Sales)のジム・レンツ(Jim Lentz)社長は述べ、「原油価格が記録的な高値をつける中、コンパクトカーやハイブリッド車が好調」と話した。

 ホンダ(Honda)や日産自動車(Nissan)、富士重工業(スバル、Subaru)、スズキ(Suzuki)といった日本の自動車メーカーも、消費者が小型車へ好みを変化させる中、4月に販売台数を拡大させている。

 自動車業界の情報提供を行うオートデータ(Autodata)によると、米国経済の低迷にもかかわらず、4月の乗用車販売台数は前月比5%増となった。一方で、トラックやSUV車の販売台数は、前月比17.4%減となった。

 08年1月からの乗用車販売台数は、業界全体の低調ぶりにもかかわらず、わずか1%減にとどまっている。一方で、軽量トラックとSUV車は燃料価格の高騰で13.5%も減少している。

 米ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)の重役によると、GMの「シボレー・マリブ(Chevrolet Malibu)」などの新車の購入を検討する消費者の多くが、小型で低燃費の4気筒エンジンを選択するようになってきているという。

 GMのマーク・ラネーブ(LaNeve)北米販売最高責任者は「消費者の好みは変化しており、我々もそれにあわせて変わっていくつもりだ」と述べる。トラック販売台数の急落を受けて、GMの第1四半期が33億ドル(約3480億円)の赤字となったことを指摘し、ラネーブ氏は、「業界全体で、トラックの販売は低調だった」と述べた。(c)AFP