【5月4日 AFP】(一部更新)米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)は3日、米インターネットサービス大手ヤフー(Yahoo)への買収提案を取り下げたと発表した。マイクロソフトのスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)最高経営責任者(CEO)が同社サイト上で発表した。

 2月1日にマイクロソフトがヤフーを1株31ドル(約3270円)で買収すると提案したことで始まった両社の協議は、数十億ドル(数千億円)に上るとされる売値と買値の開きが最後まで埋まらず幕を閉じた。

 バルマー最高経営責任者は、「買収提示額を約50億ドル(約5300億円)引き上げるなど最大限の努力をしたが、ヤフーは買収提案を受け入れなかった」と述べた。

 バルマー氏はまた、「慎重に検討した結果、ヤフーの求めに応じることは賢明ではなく、この提案を撤回することこそがマイクロソフトの株主、従業員、および他の利害関係者のために最大の利益になると信じるに至った」との考えを示した。

 前週始め、バルマー氏はヤフーのジェリー・ヤン(Jerry Yang)最高経営責任者に買収提案額を1株当たり33ドル(約3480円)に引き上げる用意があると書簡で伝えていた。

「価格引き上げの提案もヤフー経営陣を満足させることはできなかった。ヤフーはさらに50億ドル以上の出費となる価格の引き上げ、あるいは33ドルの新提案から最低4ドルの上乗せを求めてきた」とバルマー氏は明かした。

 バルマー氏はヤン氏に対し、マイクロソフトがヤフーに敵対的買収を仕掛けヤフーの株主から直接株式を買い付けることはないと確約している。

 シリコンバレー(Silicon Valley)ある専門家は、「マイクロソフトの提案撤回は賢明。ヤフー株は月曜日に大きく下げることだろう」と話す。

 ヤフー株が急落した場合、マイクロソフト経営陣はこの買収に否定的立場を取っていた株主からの突き上げを回避しつつ、再度ヤフーに同額あるいはさらに低価格で買収を提案する可能性も残される。

 専門家は、「主導権はマイクロソフトにあるようだ。マイクロソフトはヤフー株価の暴落と、それによって可能となるであろうさらなる低価格での買収を見込んでいる可能性がある」と指摘する。(c)AFP/Glenn Chapman