【5月31日 AFP】燃油価格高騰に対する漁民の抗議活動が広がっている欧州で、イタリア、ポルトガルに続きスペインでも30日、全国規模の漁民のストライキが始まった。

 拡大する抗議活動はある程度の結果を収めているようだ。スペイン農水食糧省のJuan Carlos Martin Fragueiro氏によるとスペイン、フランス、イタリア、ポルトガル各政府は合同で価格高騰に最も影響を受けている漁民に対する基金設立を欧州連合(EU)に提案すると述べた。提案は来週マドリード(Madrid)で開かれる4か国の会合に提出される。

 ポルトガルではストライキの呼び掛けに強い反応があった。全国漁業組合のAntonio Macedo代表は「船は1隻も出港していない」と述べた。

 イタリアでも、ルカ・ザイア(Luca Zaia)農相が対話に合意するまで漁港封鎖を続けるとしている。

 最大の漁業組合Federcoopesca広報担当者によるとスト参加者は「推定1万1000人-1万2000人」だという。

 一方ザイア農相は、ディーゼル燃料高騰によるイタリア漁民への影響緩和のため一連の対策を取ることを明言した。

 他国に先駆けて抗議活動が始まったフランスでは、ドーバー海峡側のルアーブル(Le Havre)の港が封鎖されたほか、地中海側では給油施設の閉鎖を図った漁民が警官隊に排除された。

 マドリードの農省建物前での抗議活動には国内のみならずフランス、イタリア、スコットランドから漁民が集まり、通行人に鮮魚計20トンを配って自分たちが直面している問題への理解を訴えた。(c)AFP